ニッポン島めぐりシリーズ その2
「御蔵島」(前編)
実は島を旅するのが好きで、暇さえあれば島旅をしている。
男のロマンをわからないバカなスイーツ女どもはすぐ
「島なんて行って、何するの?」
と聞いてくる。
そういう奴には「バカヤロウ!」と食べているスイーツを横取りして言いたい。
「旅」とは自分の知らない場所、世界があるから行くものだと思っている。
その土地の美味しいものを食べるだとか、
観光名所に行ってみるだとか、
そういったものは知らない土地に行ったことによってたまたまあるオプションみたいなもので、 自分なりの「発見」があるから旅に出るのだ。
もちろん「モンサンミッシェル」のように観光名所そのものに行きたいときもあるが、 基本的には自分が行ったことがない場所だから行きたいのである。
じゃあ、何で「島なの?」ということなのだが、 語り始めると 激安居酒屋グループを全店回っても語りつくせないので、この島シリーズでちょっとづつ小出しにしていくとしよう。
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ということで、今回は「御蔵島」
今回は旅仲間、池P氏の発案により伊豆諸島の御蔵島(みくらじま)に行くことにした。
■御蔵島とは
御蔵島は東京都心の南約200 kmの太平洋上に浮かぶ断崖絶壁の島である。
伊豆諸島なので、静岡県だと思っている人がたまにいるが、
れっきとした東京都である。
なので住所は「東京都御蔵島村」であり、
車のナンバーも車のナンバー界でもっとも地位の高い「品川」。
人口はたったの271人。
御山を始めとした山々と豊富な緑があり、周囲 16.4 km の島。
高さ 480 m の断崖絶壁に囲まれていて、お椀を逆さまにしたような形、と比喩される。
そのような地形から、昔から人を寄せ付けない環境にあり、
もちろん砂浜など軟派なものはいっさいない。
それゆえ、今もなおたくさんの自然や不思議が残っている、東京の秘境でもある。
■天然のイルカがいる!
御蔵島は世界最大の暖流である黒潮の流れの真中に位置しており、
海流が島に直接ぶつかるため、島の周りは常に波が荒い状態である。
また黒潮の流れよって周囲は削り取られ、地震によって崩れ落ち、今のような崖に囲まれた島になったそうだ。(480mの海蝕崖は世界第二位!)
また、御蔵島の周りは、常に黒潮が激しく流れるため、魚が豊富にいて、
昔から漁業で困ることは無かったようだ。
それらの魚をえさにする、イルカも多数生息している。
固体識別されているイルカは 1998 年の調査では 134 頭もいるとか。
イルカ ウォッチング船を出すと、必ず、と言って良い確率でイルカの群れに遭遇するそうだ。
そして御蔵島のイルカは世界で一番、人間になついているらしい。
■辿り着くにも一苦労
御蔵島は東京の竹芝桟橋から夜行のフェリーに乗り、8時間位で到着する。
2000年に三宅島が噴火するまでは、御蔵島への直行船はなかったそうだ。
御蔵島に行くには一旦、三宅島に行き、そこからさらに小さな船に乗り換えて御蔵島に向かったそうだ。現在は、今も三宅島はガスが噴出しているので、御蔵島経由、八丈島行きの大型フェリーが週に6回出ている。
しかし、
御蔵島には湾が無く港はとても小さい。
港付近は黒潮の影響で波が早く、風の強い日は波が高くなり、大型フェリーが着岸できずに欠航することもしばしば。
また、出航したとしても、「条件付き出航」となる場合がほとんど。
条件付き出航というのは御蔵島の港まで試しに行ってみて、現地の様子を見てから接岸するかどうかを決めるというもの。御蔵島の港で接岸作業をしてみても接岸できず、その場で欠航になってしまう場合もあるらしい。
ちなみに引き返した場合はもちろん料金は全て返ってくる。
船マニアの間では、
「タダで22時間もクルーズできる」ってことで、
わざと天候の荒い日に乗ったりするとか。
そんな僻地なので島民の食料も満足にないらしい。
なので御蔵島に行くには宿の予約がないとだめ。
自然遺産に指定されているので野宿が禁止なのだ。
島内に宿が数件しかないため、
実質、御蔵島に行ける人数は限られる。
なのでいつも予約でいっぱいだそうだ。
長く書いたが、ようするに
「東京なのに超秘境で絶海の孤島」というわけである。
「秘境」とか「絶海の孤島」とかいう単語が最近とても好きで、
こういうところに行くのが旅人としての粋だ。
夜22時。
竹芝桟橋にすごい人!
東京湾の夜景をバックに撮影。なぜかねじりハチマキに甚平姿。
フェリー内。我々は2等で雑魚寝。手前は謎の歌姫SAKAMI。
甲板で東京湾の夜景をツマミに宴会。船旅の醍醐味!
甲板ビア!とか言っている間に・・・朝6:30
御蔵島に到着!
問題の接岸作業。うまく行かないと上陸させてもらえない!
今日は幸運にも波が穏やからしく、すんなり上陸!
民宿「しげを工房」に到着!民宿なのに何故、工房?
自動販売機も売り切れ続出!
買ったペットボトルも思いっきり賞味期限切れ!
さあ、この辺境の地で何が待ち受けているのか!